単身・同居関わらず、ペットと暮らすシニアは多く、シニアのペット共生が注目を集めています。ペット飼育に関しては多頭飼育崩壊をはじめ、さまざまな問題がありますが、シニアとシニアペットの関わり方についても問題も上げられます。今回は先日ご紹介した70代のシニア女性と人間年齢で90歳の猫の暮らしの続きをご紹介します。
(→「ペット共生型賃貸住宅」とは?|おとなの住む旅 用語解説)
■前編「シニア猫との付き合い方~シニアのペット共生について考える Vol.1」はこちらから
やりすぎくらいでちょうどいい、シニア猫のお世話
18歳のスコティッシュホールド・イブリンちゃんは寒さに弱く、少しでも冷気を感じると吐いてしまいます。油断をするとすぐに体調を崩してしまうため、飼い主のA子さん(70代)は室温管理に手が抜けません。
A子さんが住むのは築60年以上の戸建て。外装内装ともにリフォームをしていますが、冬は隙間風が入り、部屋によっては乾燥しがち。寒くならないよう窓には仕切りを立てたり、加湿器を置いて乾燥を防いだりと手を尽くしています。暖房はエアコンと電気カーペットを設置し、イブリンちゃんの寝床には湯たんぽと毛布を常備。やりすぎと思っても、そこまでしないと体調が崩れてしまうのです。
ペット共生の鍵は住まいと痛感
築年数が古いとペット共生は難しいと実感するA子さん。飼い主もペットも健康に暮らすには住まいは要だと話します。
「私はまだ元気ですし、長らく住んだこの家から出ることは考えていません。それに、私が老人ホームなど施設に入る時には、イブちゃんも天国にいると思うんです。今から引っ越すことはないけど、もし可愛いペットと一緒にもっとゆったりと暮らせるなら、ペット可の高齢者向け賃貸マンションはとてもいいと思います。マンションは気密性が高いから冬場はとても寒いということはないと思いますし。飼い主が高齢になっても安心して暮らせる体制も整っていることもとても大きいと思うんですね。シニアが安心できるペット共生マンションはとてもいいと思います」
シニアのペットは、家族みんなでお世話すること
A子さんの娘さんは日中仕事、出張もあるそうですが、休みの日やA子さんが体調が悪い時はイブリンちゃんのごはん・室温管理をしています。家族の協力がないとシニアペットとの共生は無理と断言します。
「娘は仕事が忙しいことも理解していますが、忙しいからといってまったくお世話をしないのはまた違います。なので娘があまりイブちゃんのお世話をしない時は『あなたが飼いたいと言ったんだからもっと責任をもちなさい』と口を酸っぱくして言っています。でも、何回も言いますがペットも大切な家族。先を見据えて、本当に最期を看取れるのかを考えて飼い始めてほしいですね」
自身が高齢でペットと本当にちゃんと暮らしていけるかわからない方は、先々のことも考えて住まいのことを考えてみるのも、いいのかもしれませんね。