今年は各地で最短の梅雨期間を記録し、うだる暑さが続く日々に突入。体温調節機能が低下しているシニアは熱中症対策が必須です。同様に、犬などのペットの熱中症対策も欠かせません。
そこで今回は、犬の熱中症対策についてご紹介します。愛犬と暮らすシニアはぜひご覧ください。
→【シニア必見】梅雨明けに向けて「熱中症対策」ポイントを読む
犬が熱中症になる原因
そもそも犬は暑さに弱い生き物です。まず一つ目に挙げられるのが表皮です。犬の皮膚は人間の皮膚と同じ構造で、表皮・真皮・皮下組織の三層でできています。しかし、犬の表皮はデリケートで人間の表皮の1/3程度の厚さ。そのため外気の変化や紫外線に弱いのです。
そしてもう一つが汗腺です。犬は肉球・鼻の頭以外に汗腺がありません。そこで重要になってくるのが口呼吸(パンディング)。口呼吸でで体温を下げます。しかし、気温が高いと体温がなかなか下がらず、体に熱がこもって熱中症を引き起こしてしまいます。
犬愛好シニアはチェック!レベル別「犬の熱中症の症状」
犬の熱中症の症状は大きく分けて初期期症状と中期〜重度に分けられます。それぞれの症状は下記になります。
【犬の熱中症(初期症状)】
・いつもより激しくパンティングする、ハァハァする
・よだれが多い
・体が熱い(体温が40℃近い)
・舌の色や歯茎が赤い
・目の充血
・落ち着きがない
・動きたがらない
【犬の熱中症(中期〜重度症状)】
・呼吸困難
・舌の色や口の中が青紫色になる
・ぐったりする
・足元がふらつく
・震え
・下痢や嘔吐
・鼻や口、肛門などから出血(鼻血、吐血、血尿、血便など)
・意識がない
・けいれん
初期症状のサインは体温です。犬の平均体温は38℃~39℃前後ですが、40℃を超えると危険状態に。42℃を超えてしまうと命を落としてす危険性が高まります。体がいつもより熱かったり上記であげた症状が見られたら、早急に応急処置を行いましょう。
熱中症が重症化すると、合併症を引き起こします。合併症になると犬の体温が低下しても死に至ることも。危険度が高い症状が見られた場合は、犬の体を冷やしながらすぐに動物病院へ行ってください。
犬の熱中症対策の鍵は風通しと水分補給!
犬の熱中症対策は室外・室内ともに、風通しが良い環境と水分補給が要となります。
・室外犬の場合
室外犬なら、犬舎は移動が可能であれば日陰の涼しい場所へ置いてください。移動できない場合は、サンシェードやよしず、ツル性の植物などを植えて日陰を作ります。水分補給に配慮し、冷感マットや保冷剤などを利用してください。もし水遊びが好きな場合はプールや水を入れたタライを置いておくといいでしょう。
・室内犬の場合
室内であればエアコンの設定温度は外の気温差が5℃くらいまで目安にしてください。犬の体に負担がないと言われます。しかし、35℃を越す猛暑日になると老犬・仔犬、療養中の犬はさらに配慮が必要です。布で凍ったペットボトルを巻いて枕にしたり、保冷剤や冷感マット、扇風機などを使って過ごしやすくしてあげてください。いつでも水が飲めるように水分補給に配慮を。
留守中もエアコンは付けておいてください。扇風機で済ませようとしている方はご注意を! 犬にとって扇風機はあまり冷感効果がありません。ましてや、閉め切った室内で使う場合には熱風が循環されるため熱中症のリスクが高まります。
・散歩時の注意
散歩で外へ連れ出す場合は、外気温との差を少なくしてから外へ行ってください。できれば涼しくなった時間帯に行くようにしたほうがいいです。飲み水は減りが早くなるので、複数の容器で準備してください。
犬の熱中症、どうすればいいの?
愛犬が熱中症になったら動物病院に連れて行くべきですが、その前に自宅でできる応急処置を覚えておきましょう。犬の熱中症の応急処置は次の3つです。
犬の熱中症の応急処置1:冷たい水を飲ませて休ませてあげる
犬に意識がある場合は少量の冷たい水を飲ませてあげてください。一度にたくさん与えると消化器官に悪影響を及ぼして下痢や嘔吐を引き起こしたり、血液が薄まる可能性があります。少しずつ飲ませてください。
犬の熱中症の応急処置2:全身に水をかける
全身に水をかけると体温が下がります。この時、早く冷やしてあげようとして氷水を急にかけるのは絶対にNG。急激に血管が収縮すると熱中症の症状を悪化させてしまう恐れがあるからです。
犬の熱中症の応急処置3:氷や保冷剤で首周辺やわきの下、後足の付け根を冷やす
首の周りやわきの下、内股には大きな血管が集まっているので、これらの部位を冷やすと効果的に体温を下げられます。この際、寝転がっていると思うので気道を塞がないように舌は外へ出しておきましょう。
猛暑が続きますが、大切な愛犬と健康に過ごしたいものです。自分のことはもちろん、愛犬にも熱中症対策をして健やかに暑い季節を乗り切りましょう!
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