アクティブシニア対象の高齢者向け賃貸住宅に住み替える人たちが、いま増えています。
そんな中、「親と子の“近居”の割合が大幅に伸びている」との調査リポートが今週26日に発表されました。
近居とは、親世帯と子世帯が気軽に行き来のできる近い距離に住むこと。
2年前の2019年3月に63%だった「近居」が、今年6月に初めて7割を超えたことが分かったのです。
詳細を見ていきましょう。
「近居」が初めて7割を超えた!
この調査データは、アクティブシニア向けの賃貸住宅を運営する旭化成ホームズ(東京・千代田区)が7月26日に公表したものです。
同社の高齢入居者1,272名の属性を分析したところ、次のことが分かりました(2021年6月末のデータ)。
➊子ども世帯との近居(住み替え後)が、7割を超えた。
<2019年3月末の63%から、約10ポイントも増えた>
➋入居者の平均年齢は79歳で、75歳以上の後期高齢者が8割弱を占めた。
➌介護保険の認定を受けていない人が85%で、健常者の割合が高い。
➍夫婦2人で入居している世帯が3割を占めた。
❑近居が増えている時代背景などについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
いま、「近居」が静かなブームを呼んでいます。 近居とは、親世帯と子世帯が気軽に行き来のできる近い距離に住むこと。 何かあったときに助け合える距離でありながら、同居と違いプライバシーを守れる点などが人気の理由です。 特にここ数年は、高齢になった親が子供の家の近くに転居するケース(いわ...
人生100年時代に元気な高齢者が増える
アクティブシニア対象の高齢者向け賃貸住宅がいま、高齢者の住み替えニーズの受け皿となっているのはなぜでしょうか。
今回の調査リポートでは、次のように分析しています。
【背景➀】
人生100年といわれる現在、高齢者の約8割が介護認定を受けていない元気な高齢者である。
【背景➁】
多くの高齢者が暮らしている持ち家一戸建ては、約6割が築38年以上と老朽化が進んでいる(出典:東京都福祉保健基礎調査報告書)。
なかには、「駅・バス停から遠い」「坂道がある」「病院・スーパーなどが遠い」といった、リフォームや建替えでは解決できない問題を抱える世帯も少なくない(下のグラフ参照)。
その解決策の一つとして住み替えがある。
【背景➂】
その一方で、近年整備が進んでいる高齢者向けの住まいは介護施設が中心であり、元気な高齢者が自分らしく過ごせる住まいは不足している。
【背景➃】
平均寿命が延びたことで、定年後に夫婦二人だけで暮らす、あるいは子どもと同居せずに一人暮らしを続ける高齢者が増えている。
そのため、高齢者が健康で快適に暮らせる住まいが求められている。
このような調査結果から、今後必要なことが分かってきました。
これからの人生100年時代は、元気な高齢者が長く健康に暮らしていくために、健康寿命が伸ばせるようなサービスを備えた住宅が必要ではないでしょうか。
⇒【ペットと暮せる「高齢者向け賃貸住宅」特集】アクティブシニアにおすすめ!東京都内の「ペット共生型住宅」4選
1200戸を超えたへーベルVillage
今回の調査リポートをまとめた旭化成ホームズでは今年6月末、元気なシニア向け賃貸住宅「へーベルVillage(ヴィレッジ)」の運営戸数が首都圏で1200戸を超えました。
へーベルVillageの特徴の一つは、各住戸(1LDK~2LDK)の広さが45~75㎡もあることです。
主な入居者層は健常期からフレイル期までの高齢者で、夫婦でも入居できます。
そして、「介護が必要になったとき相談員に相談できる」「緊急ボタン、ライフリズムセンサー等による見守り」「防犯カメラ、オートロック」などのサービスや設備があるため、高齢者も安心して生活できるでしょう。
本記事と画像の出典:旭化成ホームズ 公式サイト
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