いま『自分史』が静かなブームを呼んでいます。(→「自分史」とは?|おとなの住む旅 用語解説)
業績を上げた人の「自叙伝」とはちょっと違い、私たちのような一般の人が、ごく普通の自分の人生を振り返って書くのが自分史。
家族や取引先など身近な人だけにプレゼントして、読んでもらうことが一般的です。
「『自分史』を書きませんか? これからの人生をイキイキ過ごせます!Vol.1」、「『自分史』を書きませんか?これからの人生をイキイキ過ごせます!Vol.2」、『自分史』を書きませんか? これからの人生をイキイキ過ごせます! Vol.3」に引き続き、自分史作成の手引きをご紹介します。
「自分史」とは 一般の人が自分のこれまでの人生をつづり、本や写真集等としてまとめたものです。 著名人等の自伝・自叙伝に対し、庶民の個人史という意味合いがあります。 近年、この自分史を書く中高年の人たちが増えてきました。 そのため、原稿の書き方を教えるガイド本やカルチャー講座等が人気を...
4.自分史の書き方・日程の管理
4-①.日程の管理
タイトルが確定しましたら、いよいよ文章の書き始めとなります。文章は、第一章第一節から年代順に順序良く書いていっても良いですし、第六章の年代の新しい順から古い順へさかのぼって書いていっても大丈夫です。
また想い出の多い節から書き出しても良いです。書き出しに決まりはありませんが、注意を必要とすることは、各章の各節をいつまでに仕上げていくかの日程管理が問題となります。必ず日程管理表を付けて予定どおりに執筆するように心がけてください。執筆には、日程管理が最も重要なポイントになります。
第一章各節 | 準備開始予定 | 仕上がり予定 | 仕上がり完了 | 確認 |
第一節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 | |
第二節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 | |
第三節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 | |
第四節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 |
【準備開始予定】・・・資料集めの開始予定日を予定として記載します
【仕上がり予定】・・・執筆原稿の仕上がり予定日を予定として記載します
【仕上がり完了】・・・執筆原稿が実際に仕上がった段階で完了日を記載します
【仕上がり予定】・・・執筆原稿を編集者へ渡したことを確認の意味で「〇」を付ける
第二章 | 準備開始予定 | 仕上がり予定 | 仕上がり完了 | 確認 |
第一節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 | |
第二節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 | |
第三節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 | |
第四節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 |
第三章 | 準備開始予定 | 仕上がり予定 | 仕上がり完了 | 確認 |
第一節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 | |
第二節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 | |
第三節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 | |
第四節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 |
第四章 | 準備開始予定 | 仕上がり予定 | 仕上がり完了 | 確認 |
第一節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 | |
第二節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 | |
第三節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 | |
第四節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 |
第五章 | 準備開始予定 | 仕上がり予定 | 仕上がり完了 | 確認 |
第一節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 | |
第二節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 | |
第三節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 | |
第四節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 |
第六章 | 準備開始予定 | 仕上がり予定 | 仕上がり完了 | 確認 |
第一節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 | |
第二節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 | |
第三節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 | |
第四節 | 月 日 | 月 日 | 月 日 |
4-②.日程のポイント
【原稿を執筆する目安】
〇1節当たりの文字数とページ数の目安
文字数:1500文字~1800文字(原稿用紙4枚程度)
ページ数:3ページ(編集後本文のページ数)
〇1章4節とした場合の換算目安
文字数:6000文字~7200文字(原稿用紙15枚~18枚程度)
ページ数:12ページ(編集後本文のページ数)
〇4章16節または6章24節を書き終える文字数とページ数の目安
4章16節・・・文字数:24,000文字~28,800文字(原稿用紙60枚~72枚)
ページ数:48ページ(編集後本文のページ数)
6章24節・・・文字数:36,000文字~43,200文字(原稿用紙90枚~108枚)
ページ数:72ページ(編集後本文のページ数)
【資料準備の目安】
○写真探しは思わぬ時間が過ぎて・・・
最近撮った写真は、比較的取り出しやすい場所に保管されていることが多いですが、数十年前の写真となると、比較的分かりずらいし、また取り出しずらい場所にあることが往々にしてあります。過去に遡れば昇るほど写真の枚数は膨大となり、一枚ずつ懐かしみながら見ていったら時間なんてすぐに過ぎてしまいます。資料を探す時間も日程の中で上手に割り振っておきましょう。
○家系はどこまで調べられるか・・・
家系をたどっていくのも自分史を書く上では大切な要素となります。戸籍謄本・除籍簿 (亡くなった人の戸籍)、改正原戸籍などを取り寄せることになります。本籍地まで取りに行かなくても、当該役所に発行手数料を添えて郵送すれば入手することができます。改正原戸籍とは、現憲法による戸籍法は夫婦単位で記載されていますが、かつては一族郎党記載でした。現在の戸籍謄本の元になるものをいい、七代まで遡ることができます。
○自宅にない資料は・・・
自宅にない資料は、所有者にお願いしてお借りすることとなります。自分史への掲載の了承は得ておいてください。図書館などで調べる場合も、時間的な余裕をもって調査しましょう。
【資料探しの目安】
○想い出を探して・・・
人間には、五感から甦るということが多々あるようです。想い出の場所を再訪問してみても良いでしょう。きっと五感から甦ってくるものがあるはずです。
・母校や昔通った通学路、バス停や利用した駅に行ってみる。
・以前勤めていた会社やご飯を食べていた定食屋に行ってみる。
・昔住んでいたアパートに行ってみる。
・昔の知人と会って、昔話をしてみる。
・めったに会わない親戚と会って、昔話をしてみる。
・妻や家族と行った旅行先に行ってみる。
想い出の場所に行けば、耳に聞こえてくるもの、目に見えてくるもの、街や建物の臭い、昔食べた 味、昔触れた感覚が、行くことによって忘れ去られていたことが、甦ってくるのが不思議です。
5.自分史の書き方・文章を書くために
5-①.自分史に主幹は存在しているか
自分史を書く時に、まず主観をとおして自分は書いているのかを問いましょう。
この文章は、あの小説の一節をまねてみたとか、誰かから聞いた話をアレンジしてみたとか、「自我の存在」が無いものは自分史にはなりません。自分史は自我そのままです。自分が経験し、自分が想い、自分が感じ、自分が聞いたものを、自分が主役になり、自分が「ありのままを」書くことです。
5-②.自分史を書く場合の文体について
どのような文体で自分史を書けばいいのか、迷う人もいます。しかし自分史は、自我の存在をアピールする場であるため、自分が普段使っている文体で書くのが一番です。決して普段使わない文体にしてみたり、好きな作家の文体や口語体をまねてみたりはしない方が良いでしょう。文書は書いているうちに、自分の文体で書くようになります。その方が、読み手である家族は、読みやすいのです。
5-③.文章を書くための基本
文章の組み立て方には、「起承転結」「5W1H」や現在では「6W3H」という構成法があります。文章を書くために昔からよくいわれている組み立て法です。原因があり状況があり結果がある。または序論があり本論があり結論がある。この構成法により、主体(誰が・何が)、客体(何を)、時間(いつ)、場所(どこで)、理由(なぜ・どうして)、状態(どのように)などを記載することで、文章の深みを出します。
5-④.「である調」と「ですます調」はどちらか
大きく分けると「ですます調」と「である調」の2種類があります。読みやすい文章は、基本的に両者混合はしません。なぜなら混合すると統一感が無くなり、素人の文章といわれる幼稚さのある文章となります。普通「ですます調」だと優しくて柔らかい雰囲気になり、「である調」だと断定的で厳しく引き締まった雰囲気になる、という特徴があります。自分史の場合は、どちらでも良いと思います。混合しなければ
5-⑤.段落をつけるには
・時刻や場面が変わる。
・立場や観点が変わる。
・取り扱う対象が変わり、思考が次の段階に発展する。
5-⑥.書き終えたら推敲する
・漢字、仮名遣い、送り仮名は正しいだろうか。
・句読点は正しく打ってあるだろうか。 ・意味の分からないところはないだろうか。
・表現の足りないところや、だらだらしたところはないだろうか。
・文の流れから見て改行は適切だろうか。 ・文と文との続き具合はよいだろうか。
推敲する場合は、自分で声を出して読んでみるか、家族や友人に読んでもらう。
6.『自分史』を書きませんか? これからの人生をイキイキ過ごせます!
いかがでしたでしょうか。
静かなブームとなっている「自分史」の書き方を全4回にわたってご紹介してきました。今一度自分の人生を振り返り、身近な人へ自分史をプレゼントしたころには、これからの人生がより多くの希望に満ち溢れているに違いありません。
ぜひこの機会に自分史を作成してみませんか。
いま『自分史』が静かなブームを呼んでいます。(→「自分史」とは?|おとなの住む旅 用語解説) 業績を上げた人の「自叙伝」とはちょっと違い、私たちのような一般の人が、ごく普通の自分の人生を振り返って書くのが自分史。 家族や取引先など身近な人だけにプレゼントして、読んでもらうことが一般的です。 ...
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