一人暮らしの高齢者などが賃貸住宅に入居しやすくすることを目的に、社会福祉法人等の見守りサービスが付いた『居住サポート住宅』を国がまもなく創設します。
岸田内閣は3月、この居住サポート住宅の規定を盛り込んだ法案を開会中の通常国会に提出しました。
今国会での成立(会期は6月まで)をめざすとしています。
かねて単身高齢者などは、孤独死等への懸念から賃貸住宅への入居を拒まれることが多いとして社会問題になっていました。
いま高齢者だけの世帯は増える一方ですが、この深刻な問題(入居差別)は新たな制度で解決できるのでしょうか。
自治体が認定する「居住サポート住宅」
政府が今国会に提出したのは、高齢者や障がい者、低額所得者などいわゆる「住宅確保要配慮者」の入居促進を図る「住宅セーフティーネット法」の改正案です。
今回創設する「居住サポート住宅」の狙いは、単身高齢者などの生活を継続してサポートするとともに、家主が安心して物件を貸し出せるようにすること。
物件はあくまで民間の賃貸住宅ですが、これを自治体(市区町村)が認定する制度とします。
この居住サポート住宅では、地域の社会福祉法人やNPO法人などが入居者を定期的に訪問して見守りを行うほか、人感センサーなど情報通信技術(ICT)を活用して安否確認等を実施します。
こうした支援法人は必要に応じて、医療や介護、自立支援などの福祉サービスへとつなげる役割も担っていく段取りです。
また法案では、入居者が賃貸契約の際に利用しやすい家賃債務保証会社を公的に認定する制度も創設します。
サポート住宅の入居者に対しては、認定された会社が原則保証を引き受けるという仕組みです。
〈民間の先行事例紹介〉
東京の見守り付き高齢者住宅、25㎡で月額11.6万円
このような国の動きに先立ち、民間ではいま「見守りサービス付きの高齢者向け賃貸住宅」を供給する動きが活発になっています。
そのうちの一つ、東京・練馬区のマンション「ジェノヴィア石神井台」(上の画像)の見守り・訪問サービスについて、国の新制度と比較検証する観点からご紹介します。
<本物件は前述の「法律に基づく居住サポート住宅」ではありません>
➊見守りサービス〈ALSOK(警備)が24時間365日提供〉
⑴健康相談:室内のコントローラーから看護師等に健康相談ができます。
⑵緊急対応:室内の緊急ボタンを押せば、ガードセンターに通報されます。
⑶救急:119番通報の際、登録してある必要な情報を救急隊員に伝えます。
⑷ライフリズム監視:在宅中に一定の時間を経過してもトイレの使用がない場合、ガードセンターに通報されます。
➋訪問サービス〈㈱やさしい手(介護事業)提供〉
⑴生活相談:資格を持つ専門スタッフが2か月に1度訪問し、日々の生活状況や困りごとなどを聞きます。
⑵生活支援:健やかな生活のプランニングや新たな暮らしをサポートします。
たとえば近隣の情報(スーパーや医療施設)の案内や緊急連絡先との連携、住み替え相談など。
定期訪問時には電球の取り換えやエアコンのフィルター取り外しなどの簡易なお手伝いも行います。
⇒【総集編 老後の住まいの選び方】第2章「生活費20万で入れる施設はあるの?」
❑「ジェノヴィア石神井台グリーンヴェール」概要
・交通/西武新宿線「武蔵関」駅徒歩4分(360m)
・構造等/鉄筋コンクリート造地上8階建
・専有部分/25.60㎡・間取り/1K
・賃料/92,000 円・共益費/24,000円
・敷金/1ケ月・礼金/1ケ月
・主な設備/防犯カメラ、モニター付インターホン、オートロック、光ファイバー、バルコニー、ごみ出し24 時間OK、宅配BOX、浴室乾燥機、フローリング、システムキッチンなど
〈条件〉
・ペット飼育可・2人入居不可・保証会社利用および身元引受人(原則3親等以内の親族)必須・年齢基準/原則60歳以上・介護度/要介護不可
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