春の陽気で穏やかな雰囲気が漂っていますが、3月に入ってから相次いで地震が続いています。考えたくはないですが、コロナ禍で地震等の災害発生時を考慮して対策をしている人はどれくらいいるのでしょうか。
50代からの女性誌「ハルメク」を発行する(株)ハルメクのシンクタンク「生きかた上手研究所」は、20歳から79歳の女性900名を対象に「防災に関する意識調査」をWEBアンケートにて実施しました。東日本大震災から10年が経過したコロナ禍である現在、高齢者を含めるシニア女性は災害・防災に対してどのような意識を持ち、備えているのでしょうか。
【調査概要】
調査の方法:WEBアンケート
調査の対象:20~79歳の女性
有効回答数:900名
調査実施日:2021年2月5日~2月6日 ※2月13日深夜におきた福島沖地震より前に実施
調査主体:(株)ハルメクホールディングス 生きかた上手研究所
(※下記調査結果:出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」)
高齢者女性の防災意識、どう変わった?
はじめに、防災意識にしてついて「高い方だと思う」「どちらとも言えない」「低い方だと思う」の選択制で質問したところ、「高い方だと思う」は全体で20.2%、60代以降は他年代比で高いことが明らかに。60代は25.4%、70代では38.0%と約4割が回答する結果になりました。2020年に行った同調査と比較すると、「高い方だと思う」と回答した60代・70代は9.0ポイント上昇しています。
この背景には、東日本震災から10年が経つこととコロナ禍があると言っても過言ではないでしょう。特にコロナ禍によって「自分や自分の大切な人は自分で守る」という意識が高まったのではないでしょうか。
防災意識と予防意識は連動する!?
防災意識の高さは感染予防意識とも相関しているようです。防災意識が高い人ほど新型コロナウイルスの感染予防への意識も高いことが明らかになりました。
20代から高齢女性まで、以前よりも備えるように
次に、災害の備えについて質問。東日本大震災前では56.8%だったのに対し、震災後1年以内では67.4%、現在は73.7%と、震災前から16.9ポイント増加しています。
災害の備えは多岐にわたる
実際にどのような備えをしているのでしょうか。最も多かったのは「食料や防災用品の備蓄」(25.4%)、ついで「病気にならないようにする」(21.9%)、「避難場所の確認」(19.3%)という結果に。震災前の調査では2割を超えた備えは「食料や防災用品の備蓄」「病気にならないようにする」の2つでしたが、震災後1年以内・現在では「家族との連絡手段の確認」「避難場所の確認」「家具の転倒防止のための対策」「停電対策」「避難場所へのルート確認」「病気にならないようにする」「心の準備」と備える要素が複数にわたっています。
高齢になるほど避難所には行きたくない!
災害時の避難場所について聞いてみると、「自宅にとどまりたい」割合は全体平均で53.3%と避難所へ行く選択を選ぶ人が少ないことが明らかに。また、「自宅にとどまりたい」割合は60代で60.0%、70代で66.0%と、60代以上はより高くなっています。年代が上がる分、避難所でのコロナ感染リスクを懸念している人が多いのではないでしょうか。
災害時とは異なりますが、コロナ禍では高齢者の住まい選びや住み替えの考えも大きく変わっています。コロナ禍を機に、介護施設から自立型サ高住へ住み替える高齢者も多いとのこと。多数が集まる場所よりも自分のペースで過ごせる居住空間に住みたいという高齢者は多いようです。
第5回『コロナ禍で孤立?! 介護施設から高齢者向け住宅へ住み替えるワケ』
60代・70代女性の災害時の懸念点は自身の健康
震災時において「他人より恵まれていない、または他人より劣っている点はない」と感じるか質問したところ、全体平均は40.2%となりました。60年代以降を見ると、60代で50.0%、70代で52.0%と、他年代比で高い結果に。なぜこう思うのか聞いてみると、次のような結果になりました。
「他人より恵まれていない、または他人より劣っていると感じる点」の1位は、20代が「金銭的なもの」、60代以上が「からだの健康や体力的なこと」となりました。このように、年代が高くなればなるほど災害時の健康状態を懸念していることがわかります。
高齢者に最適な健康法は?
調査結果を見てわかったのは、災害意識は感染対策意識を比例しており、コロナ禍を機に災害時の健康状態に注視する傾向が強まったということです。
コロナ禍では働き方や住まいなどの考え方が大きく変わりました。高齢者にとっては健康づくりに対する意識も高まったのではないでしょうか。
ここ数日で気温が上昇し過ごしやすい季節になったので、体力づくりを始めたい高齢者も多いはず。それならウォーキングがオススメです。ウォーキングといっても実はバリエーションが豊富。自分に合うウォーキングであれば無理なく楽しみながらできます。
内閣府が発表した『高齢者の健康に関する意識調査』によると、生きがいを感じている高齢者は60代で8割、70代で7割、80歳以上でも7割弱という高い結果が報告されています。 高齢者にとって生きがいは、自身の健康状態とも深く関わっており、人生100年時代を健康で長生きしていく上で必要不可欠なもの。 ...
外出するのは気が引ける高齢者には、自宅でできるエクササイズがいいでしょう。毎日少しずつ体力づくりをすることで災害時だけでなく、普段の生活においても自分の健康・体力に自信が持てるようになります。春の到来とともに自分に合う健康法を選んで、体力づくりをしてみてはいかがでしょうか。