
猛暑日が続く、2025年の夏。
離れて暮らす高齢の親を熱中症から守るためには、家族のちょっとした配慮と行動が鍵です。
この記事では、最新データと具体的な対策をわかりやすく紹介します。
【最新情報】高齢者の熱中症搬送、死亡の現状
ここ数年、毎年やってくる猛暑に驚いている方も多いのではないでしょうか。
消防庁による2024年のデータを見てみると、5月から9月に熱中症で救急搬送された人は、97,578人にのぼりました。
これは統計開始以来、最多の数値です。
そのうち、65歳以上の高齢者が約55〜57%を占めています。
全国の死亡者数は1,651人と報告されており、その多くが高齢者です。
「命を奪う熱中症」が、高齢世代にどれほど深刻な脅威であるかがわかります。
総務省消防庁「令和7年 熱中症による救急搬送状況(速報)」によると、2025年7月21日〜27日の1週間だけで、10,804人が救急搬送されていました。
その約60%にあたる10,342人が、65歳以上の高齢者と推定されています。
【リスクの理由】なぜ高齢者は熱中症になりやすいのか?
なぜ高齢者が熱中症になりやすいのか、リスクを抱える理由としておおきく3つあります。
1つ目は、高齢になると、暑さや喉の渇きを感じにくくなるため。
これにより、水分補給のタイミングが減ってしまいます。
2つ目は、利尿剤や血圧の薬。
利尿剤や血圧の薬が、体温調節を妨げる場合もあります。
3つ目は、自宅の温度です。
古い家屋や断熱性の低い住宅では、室内温度が急上昇しやすくなります。
エアコンの使用を控えがちになる心理も加わり、熱中症リスクが高まる要因へとつながっているのです。
離れて暮らす家族としてできる具体的な4つの対策
遠く離れて暮らしていても、できる工夫は多くあります。
ここでは、日々実践しやすい対策を4つにわけて紹介します。
離れて暮らす親×熱中症対策①日々の声かけと見守りの習慣化
「今日は暑いね」「水、飲んだ?」という言葉が、大きな安心につながります。
高齢者は喉の渇きに気づきにくいため、声かけが重要です。
電話やLINE、ビデオ通話を活用し、こまめに安否を確認しておきましょう。
離れて暮らす親×熱中症対策②室温管理とエアコン使用へのアドバイス
「電気代が心配」「エアコンは苦手」という高齢者は意外とたくさん。
しかし、室温が28度を超えると、熱中症のリスクは一気に高まります。
暑さ指数(WBGT)を参考にして、25〜28度に保つよう呼びかけましょう。
「温度が高いときは冷房をつけてね」と、具体的に伝えると効果的です。
離れて暮らす親×熱中症対策③水分補給を促す工夫
水分をとるのを忘れたり、トイレを気にして控えたりする高齢者は多くいます。
身近なところにマグカップやペットボトルを置いておくと、自然と手に取りやすくなります。
スポーツドリンクや経口補水液を備えておくのも有効です。
暑い時間帯に「水分とった?」と声をかけるだけでも、予防につながります。
離れて暮らす親×熱中症対策④暑さ対策グッズや設備の活用
エアコン以外のアイテムを組み合わせると、快適さが増します。
断熱カーテン、サーキュレーター、首掛け扇風機などがあると安心です。
室温が上がる前に換気したり遮熱したりすることが、リスク軽減に役立ちます。
自治体によっては、熱中症対策用品の配布や補助制度も用意されています。
地元の制度を確認し、利用してみるのもひとつの方法です。
自治体や地域支援を活用する方法も
熱中症対策のための、自治体・地域支援サービスを利用することもひとつの手段です。
暑さから身を守るためのクーリングシェルターや、地域包括支援センターの見守り訪問などがあります。
配食サービスや福祉用具の貸与、見守りアプリなども活用できます。
一人で抱えず、地域の支援制度を頼ることが、本人にも家族にも安心感をもたらします。
緊急時の備えと判断基準をおさえておこう
体調に異変を感じたときは、すぐに受診する判断が重要です。
めまい、吐き気、倦怠感、意識がもうろうとするなどの症状が見られたら、救急車を呼びましょう。
かかりつけ医の連絡先や医療機関の情報を、家族間で共有しておくと安心です。
離れて暮らす親がいる方へ。家族の気づきが命を守る力になる
熱中症は、高齢者にとって命にかかわるリスクです。
しかし、日々の工夫と気づきで、その危険は大きく減らせます。
遠くにいてもできることはたくさんあります。
毎日の声かけ、室温管理、水分補給、便利グッズ、地域制度の活用。
これらひとつひとつが、命を守る手段です。
今年の夏を家族みんなで安心して乗り越えていきましょう。
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