注目度の高い『住みたい街ランキング』の2022年上半期・中間結果が今週9月14日に発表され、首都圏の“借りて住みたい街”では「大宮」が2年連続1位の「本厚木」を抑え、初めてトップに躍り出ました。
コロナ第7波の下、物価の高騰も重なり、ユーザーの意識は変わってきています。
二地域居住や転居の住み替え先を検討するうえで、時代の変化はしっかりと捉えておきたいところです。
二拠点生活者も物価高騰に配慮か?!
「住みたい街ランキング」は、㈱LIFULL(ライフル)が運営する不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」をベースに、実際の物件問合せ数からユーザーの「本気」で住みたい街をランキング化した調査データです。
今回同社が発表したのは、4大都市圏の2022年上半期(1月~6月)を集計した「2023年版中間結果」。
そのうち、当サイトでは首都圏の「借りて住みたい街ランキング」を紹介します。
〈以下の分析・解説は、LIFULL HOME’S総研の副所長・チーフアナリスト 中山 登志朗氏によるもの〉
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郊外が上位独占!コロナ長期化で変化も
『借りて住みたい街ランキング』首都圏版〈2022年上半期〉
今回は、コロナ禍で注目され2年連続1位だった「本厚木」を僅差で抑え、「大宮」が初めてトップに選ばれました。
「大宮」は都心から電車で30分程度、埼玉県の中核都市です。
駅勢圏(駅周辺の繁華性の高いエリア)も広いため、都心同様に生活利便施設が豊富にそろい、県内屈指の人気を誇ります。
これまでユーザーが支持(問い合わせ)する街は、2020年には箱根や軽井沢、宇都宮など首都圏の外にまで拡大しましたが、コロナ禍の長期化によって、郊外化したニーズが少しずつ都心方面へ戻り始めています。
「大宮」は生活や交通の利便性、物件の豊富さなどを兼ね備えた街だけに、その象徴として1位に上がったのでしょう。
ランキングの以下は2位「本厚木」、3位「八王子」、4位「柏」、5位「三鷹」と、ベスト5はいずれも山手線のターミナル駅まで乗り換えなし、最短20~40分程度でアクセス可能という共通点があります。
テレワークと物価高騰でコスパ重視へ
ベスト5以外でも「川口」(12位)、「船橋」(14位)、「橋本」(17位)、「立川」(18位)など、東京のベッドタウンが上位に躍進しました。
躍進した理由は、賃料が都心と比較して安価な割に、生活や交通の利便性も良い街=“高コスパ”な街だからでしょう。
テレワークと出社との併用が定着し、通勤ラッシュが大幅に改善されたことで、都心から1時間程度離れても快適に通勤できる街。そして、物価上昇で“生活防衛”の意識が働き、コロナ禍の生活様式に合うような“身の丈の郊外”を選ぶ人たちが増えてきたと言えそうです。
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コロナ禍で順位を上げた街と下げた街
今回1位の「大宮」と2位の「本厚木」は、いずれもコロナ前の2019年版では7位と11位。
当時は池袋、中野、高円寺のほか、都心とその周辺の街(23区など)がベスト10をほぼ独占していました。
ところが、コロナ禍とテレワークの普及などにより、いま順位は大きく変わっています。
➀コロナ前より順位を上げた準近郊&郊外の街
➁コロナ禍で順位を下げた東京都心&23区の街
【調査概要】
⑴対象期間:2022年1月1日~6月30日
⑵調査対象:LIFULL HOME’Sユーザー(首都圏は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)
⑶集計方法:LIFULL HOME’Sの掲載物件で問合せの多かった駅名を集計
⑷算出方法:平均家賃は、専有面積50㎡以下の居住用物件の平均値を抽出
❑首都圏版「借りて住みたい街」ランキング中間結果の詳細はこちら
この記事と画像の出典:㈱LIFULL 公式サイト
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