東京都は17日、働く意欲のある高齢者(65歳以上)の活躍の場を広げることを目的に、今年も「東京キャリア・トライアル65」を実施すると発表しました。
この事業は働きたい高齢者と、高齢者を受け入れたい企業をそれぞれ募集し、高齢者の希望・能力と企業側のニーズをマッチングさせ、高齢者に派遣職員として働いてもらうというものです。
都は8月19日、参加を希望する高齢者(個人)と受入れ企業の双方の募集を開始しました。
昨年の実績を見てみますと、409名の高齢者が129社の企業に派遣され、派遣就業後に直接雇用された人たちは104名に上ったのです。
そんな成果があるだけに、今年もこの事業への期待は早くも高まっています。
「経験を活かしたい」シニア募る!
「培ってきた経験を活かし、まだまだ仕事したい」そんなシニアを東京都がサポートします。
今回の「東京キャリア・トライアル65」はシニアの就業機会の拡大をめざし、65歳以上の人たちを企業に派遣するという取り組みです。
派遣期間は1週間~2か月程度にとどまり、いわば“お試し就業(有給)”となりますが、その後はシニアと企業側が合意すれば、派遣から直接雇用契約へと切り替えられる点が、お互いのメリットと言えるでしょう。
高齢者には派遣先の企業でスキルを身に付けてもらい、企業には高齢者を雇用するノウハウを得てもらうことで、働くシニアの活躍の場をより一層広げていくことが狙いなのです。
東京都では、高齢者がやりがいをもって働ける場を増やし、「生涯現役」でいきいきと活躍できる社会を実現したいとしています。
⇒【生涯現役で働く高齢者】今も夢を追う総務部員、画家、写真家たちのプロ精神に学ぶ
賃金・交通費は都が支給
今回の事業では、受入れ企業は労働者派遣にかかる費用が全額免除され、直接雇用したとき紹介費用等の負担もありません。
一方、働く人には都が就業時間に応じた賃金と交通費を支給します。
【募集の概要】
1.就業期間:2021年8月19日(木)~ 2022年3月11日(金)、派遣期間は1人1週間~2か月程度
2.対象者:65歳以上かつ都内在住または都内在勤者。都内で就業を希望する方
3.対象企業:都内に事業所があり、高齢者を受け入れられる企業
4.職種の例:事務職、営業職、IT技術職など
⇒【4月施行の70歳就業法特集】70歳定年延長で、高齢者は本当に働きたいのでしょうか?
ニーズ高い事務、営業、IT技術職など募集
■シニアのメリット
⑴職種は求職ニーズの高い事務職、営業職、IT技術職など
⑵キャリアカウンセラーよる就職相談とスキルチェックを行ったうえで企業を決定
⑶就業中も専任のキャリアカウンセラーがサポート
■企業のメリット
⑴人件費と交通費は都が全額負担
⑵派遣から直接雇用契約への切り替えができる。その際の紹介料は都が全額負担
⑶希望する企業には、高齢者の活用と職場定着に関するコンサルティングを実施
■シニアにお得な “3つのポイント”
❑本事業の問合せ先:東京都 産業労働局 雇用就業部 就業推進課〈電話03-5320-4664〉
本記事と画像の出典:東京都 公式サイト、「東京キャリア・トライアル65」専用サイト
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