音楽家 呼吸研究家 宮浦 清氏
健康メソッド「音楽呼吸法」の創案者として全国で講演をする傍ら、サキソフォニストとしても活躍されている宮浦清さん。
その背景には持病の心臓弁膜症、糖尿病に悩まされた過去がありました。
これまでの人生を振り返りながら、同メソッド誕生の秘話と活躍し続ける秘訣を伺いました。
(全2回に分けてお送りする)
持病が見つかったのは小学6年生
「小さい頃から運動が好きで駆け回っていました。でも、友達と比べると疲れやすいし、マラソンをすると吐き気がする。おかしいと思って病院で調べたら心臓弁膜症と判明。それ以降、運動から遠ざかりました」。
中学校になるとブラスバンドに入部。こうして宮浦さんの音楽人生が始まったのです。
健康の鍵は呼吸の”質”
大学卒業後すぐに音楽留学で渡米し、帰国後音楽家として活動を開始。
国民的アニメ『ルパン三世』の映画サントラを作編曲、首都圏FM曲J-WAVEの音楽制作など輝かしい功績を残す一方、忙しく不規則な日々が続きます。その結果、体に異変が。
「40歳で糖尿病を発症し、50歳手前で体調が悪化しました。健康になりたい一心で走ったりジムに行ったりしたけど、苦しくなって続かない。どうしたものかと悩んでいる時、ふと頭に浮かんだものが腹式呼吸でした」
早速、腹式呼吸をしながらジョギングをしてみることに。
すると、いつもは1周で終わるところ、10周走ることに成功。
その後も呼吸を改善し続けたことで体力がつき、メンタル面にも変化があらわれます。
「苛立つことやストレスが少なくなりました。呼吸を整えると自分のリズムが確立できる。”間”を持てるようになるから冷静に判断できて、雑念に陥らなくなります。自分の軸がしっかりして、他人にのまれなくなりました」。
自身が変わったことで、呼吸には”質”があると気づきます。
呼吸は生命活動の根本、人間そのもののベース
呼吸の質を高めることは、人間力の向上にもなると体感したのです。