「兼業による農家」を育成するというユニークな民間スクール『チバニアン兼業農学校』が今年11月、60名の修了生が首都圏内で就農を実現させたと発表したところ、思わぬ反響を呼んでいます。
反響を呼んだのは、憧れの職業の「農業」への第一歩を「兼業」というかたちで夢をかなえ、合わせて首都圏内の近場で二拠点生活を始めるという新たなライフスタイルが注目されている事情もありそうです。
同校では定年を控えた50代をはじめ、シニア層の生徒たちも少なくありません。
どうすればシニアの皆さんの夢は果たせるのでしょうか。
164名が学ぶ「チバニアン兼業農学校」
兼業農家になることに特化した「チバニアン兼業農学校」は、㈱おひさま総合研究所(本社:千葉市)が運営する就農スクールです。
2022年1月に開講して以来、1期生から5期生まで164名の生徒たちが学んできましたが、うち60名が就農を果たしています。
それ以外の生徒たちも今、就農に向けて準備を進めているところです。
栽培技術を指導し、農地探しもサポート
この農学校では何を教えているのでしょうか。
たとえば、最大のハードルと言われる「農地の取得、営農計画の策定」や「新規就農者の認定、書類作成」などについて、実際の農政担当者や有識者が伴走しながら指導しています。
短期間(数ヵ月の週末研修)で農業者になることを目指すという実践的なスタイルが大きな特徴です。
特に重要な農作物の栽培技術は、日本農業実践学園(茨城県水戸市)や千葉県内の農園と提携し、さまざまな作物の栽培方法をZOOMによる講義と現地実習で学んでいます。
生徒は会社員や看護師、会計士など多彩!
チバニアン兼業農学校では現在、第6期生が学んでいます。
その生徒たちは主に首都圏(千葉県、神奈川県、埼玉県、茨城県、東京都)に住み、仕事に従事している人がほとんどです。
本業の仕事は公務員や上場企業社員、広告代理店、居酒屋経営、パイロット、自衛官、教員、看護師、公認会計士、行政書士、建築士、測量士、歯科医などと多岐にわたっています。
そんな生徒たちの就農地は、同校の圃場がある千葉県睦沢町にとどまらず、生徒自身の地元(首都圏各地)も増えてきました。
同校ではさまざまな地域での用地探しから農地の取得まで指導しています。
また、今年からは成田空港に隣接する千葉県芝山町との連携がスタートし、10名以上の生徒が芝山町で就農する予定です。
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仕事を辞めない利点、経済的リスクが小さい!
兼業による就農の場合はリスクが少なく、リターンを得られることが何よりもメリットでしょう。
代表的な例としては、農家住宅の建設(市街化調整区域の農地に建てられる自宅)や、本業の与信による融資、個人事業主化による節税などが挙げられます。
そして、これまでの就農支援との大きな違いは、仕事を辞めずに就農するため、経済的なリスクが少ないことです。
実習については、通いやすいように週末に実施しています。
二拠点生活での参加も想定しているため、移住することは必須の要件ではありません。
特に千葉県は首都圏に位置し、通勤も可能なエリアです。
海や山からも近く、自然に囲まれた生活スタイルを、農業を行いながら実現できます。
この記事と画像の出典:㈱おひさま総合研究所 公式サイト
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