広い居室で自分らしく自由な暮らし
長寿社会で求められる、『健康で長生きのできるサ高住』
高齢の単身・夫婦世帯が安心して居住できる賃貸住宅として、行政が法に基づき認定している「サービス付き高齢者向け住宅」(略称:サ高住)。制度創設からわずか6年で、全国に約7千棟・23万戸が供給されました。
なかでも最近は『自立型』と呼ばれるサ高住の新設が続いており、その存在感が次第に増してきています。
入浴も食事も自ら意思で決める
「自立型サ高住」とはどのような人が対象なのでしょうか?
サ高住の仲介事業を専門に手がける㈱イチイ シニア事業部に話を聞きました。
『対象となるお客様は、身の回りのことがご自身で可能な、自立して生活のできる方、または自分でできるようにしたいという方(要介護度が低いなど)です。自立型のサ高住は居室の面積が広く、自由がありますから、自分らしい生活を送ることができます』 (酒井努 シニア事業部長)
そんな自立型サ高住とはまったく対照的なのが、いわゆる「介護施設」です。
介護を主な目的としていますので、生活のための居室面積は必要最低限と狭く、入浴や食事は決まった時間や曜日などにしかできません。
その点、サ高住ではルールは無し。介護サービスを受ける・受けないは自由。入浴も(食堂での)食事も気分で決めれば良し。外食も外泊もまったく自由です。
誰からも指示を受けませんから、自分らしく誇りをもって過ごすことができます。
見守りサービス、独居でも安心
もうひとつサ高住の大きな特徴について、シニア事業部ではこう話しています。
『安否確認や生活相談などの「見守りサービス」があるので、ひとり暮らしでも安心して生活できることです』
実際にサ高住に入居した方々は、どのような動機で決めたのでしょうか。
『サ高住の入居者1900名へのアンケート調査(厚労省2014年)によりますと、「入居を決めた理由」は「ひとり暮らしが不安になったため」がトップ(77%)で、「介護が必要だから」を上回りました。見守りサービスなどがあり、安心して生活できることが決め手になっています』
もっとも、自立型の高齢者向け住宅に問題点はないのでしょうか。
『サ高住の介護サービスについては外部の複数の訪問介護事業所の中から、ご自身で気に入った事業所を選んでいただけます。自分の意思でサービスが受けられる点もサ高住の利点です(介護施設の場合は事業者を変更できない)。
しかし要介護度がさらに重くなり、完全介護が必要になったときは、介護施設に移る方がご本人にとっては良い、という場面も出てきます。
その点は理解しておいていただきたいところです』
それだけに、入居者がいつまでも健康を維持し、快適な生活を送っていただくのが何よりも大切なこと、と考えています。
サービス付き高齢者向け住宅とは
「高齢者住まい法」の改正により平成23年10月に創設された、「高齢の単身・夫婦世帯」が安心して居住できる賃貸等の住宅。
サービスとは「安否確認サービス」と「生活相談サービス」のことを指す。