20年以上にもわたるサンフランシスコでの海外生活を経て、終の住処を探す旅をスタートした「まこ」さん。
この度、「おとなの住む旅」では、まこさんへインタビューを行いました。
まこさんの豊富な海外生活経験や、日本国内を旅する姿から、終の住処を選択するための大切なポイントを学ぶことができます。
この記事では、まこさんへのインタビューを通じて、
・「終の住処」にしたいと思う場所の特徴
・日本と海外でのライフスタイルの違い
について紹介します。
将来を見据えて旅をしたい人にとって、参考になる意見がギュッと詰まっているのでぜひご覧ください。
■プロフィール
名前:まこさん(50代・女性)
20年間にもおよぶサンフランシスコ生活を経て、日本へ帰国。
2015年から、世界のどこかに「終の住処」を探す旅を始め、旅そのものが目的になったそう。
現在は、日本国内にて旅を継続中。
海外生活を経て感じる「住みたい土地」の条件とは?
━━━まこさんにとって「住みたい土地」とは、どのような土地でしょうか?
まこさん:最初は、物価が安く、気候が温暖で、安全であることが条件で、老後に住む場所を探していました。
しかし、次第と旅自体が面白くなり、「動けるうちに」と、世界を放浪。
後から気づいた大切な要因は、「住むならば、よそ者へ好奇心を持つオープンさがある国」ということです。
例えば、ジョージアという国。
ジョージアで感じたことは、土地の人間が外国人を外国人扱いしてない気楽さ、そこに外国人が居ても気にしない気楽さです。
国や場所によっては、外国人というだけでお金儲けの対象となったり、毛嫌いされ排除の対象になったりします。
━━━住むなら、移住者への好奇心・オープンな心がある国がオススメなのですね。
外国人という扱いはどうしても拭いきれなくても、いかに心地よく生活できるか、しっかり見極めることが大切であることが伝わってきました。
日本国内を旅して気づいた、住処選びのポイントとは?
━━━旅する中で気づいた、住まい選びのポイントとはなんでしょうか?
まこさん:私は今、ADDressというサービスを利用して、日本国内を巡っています。
日本国内を巡る中で、「住んでいる人がその土地を大切に思っている」ところも気になるようになりました。
消滅可能性都市というのは、土地と人に好奇心や活気がない場所。その土地のお寺や神社でさえ、無下に廃墟化しているところもあります。
そうした場所は、いくら移住民が盛り上げようとしても、なかなか上手く行かなそうに思えてくるんです。
挨拶をしたら返事が返ってくるかなど、そうした点は「住民の親しみやすさ」の目安になりますね。
━━━現在まこさんは、ADDressというサービスを利用して日本国内を巡っています。
ADDressとは、ADDressが運営する日本各地の家に、定額で住めるサービスです。
家は、月額4万円から住み放題。
初期費用や光熱費込みで、生活に必要な物品はすべて備わっています。
国内移住を考えているなら、住民が自身の住む土地を大切にしているか・住民以外の人に対する対応はどうかなど、しっかり見ておきたいポイントですね。
サンフランシスコでの生活で大変だったこととは?
━━━サンフランシスコでの生活で、一番大変だったこととはなんでしょうか?
まこさん:私にとっては、サンフランシスコは住みやすい土地でした。
大変だったのは、移住したばかりの頃、英語に自信を持てるまでの期間です。
英語など語学面への不安は、海外生活をする人なら誰でも最初に感じることなので、サンフランシスコに限られたものではないでしょう。
日本では、自分を控えめに身構えたり、控えめに半歩腰を引いたように対応したりするのが普通です。
しかし、サンフランシスコで生活すると、生活をしている人々が「野生的な自信のエナジー」をまとっているのに気づきます。
「自分」と「誇り」が、そこに感じられるのです。
━━━日本だと、他人からどう見られているかが重要視されがちですが、サンフランシスコでは違うことが伝わってきます。
英語以上に大変だったのは、「自信と誇り」を自分のものにすること
━━━サンフランシスコに移住して感じた、日本の違いはなんでしょうか?
まこさん:サンフランシスコでは、基準が「他人」ではありません。
自己中心ということではなく、自分軸があるということ。
他人に対する思いやりは、日本人以上にあったりします。
これは、自分をしっかり持っているがゆえに差し出される、愛とケアなのです。
日本人は、丁寧ではあっても、他人に厳しいほうが先。
優しいとは言い切れない場面を、たくさん目にします。
日本は規律だけにとらわれて、ヒューマニティが全く働いていません。
そのため、英語習得以上に「自信と誇り」を自分のものにするまでが大変だった、ともいえます。
━━━自信と誇りを自分のものにすることは、そう簡単に出来ることではないでしょう。
日本人であれば、なおさら。
こうした気づきや成長は、海外生活で人の魅力に触れてこそ、気づけるものですね。
コロナ渦における、海外での自粛の厳しさと無防備さ
━━━新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、日本と海外で感じた差とはなんでしょうか。
まこさん:コロナを機に、日本へ帰国しました。
日本にいて、つくづくラッキーだったと思います。
サンフランシスコやシアトルの友人は、自粛の厳しさや、人々の無防備さや反感などに辟易しています。
日本だと、Go toキャンペーンで、国内移動が可能です。
こんなにありがたいことはありません。
━━━コロナ渦において、自粛・マスク文化など、国ごとに違いが出てきました。
海外で生活していると、日本ではないような不安にも遭遇することでしょう。
少しでも早く状況が落ち着き、自由に生活できる日々がくることを願うばかりです。
日本に帰国したことで、生活・医療での安心や、移動の自由さを強く感じたことが伝わってきます。
日本・海外の魅力を感じて、自分にあった環境を見つけよう
インタビューを通じて、海外ならではの魅力・改めて感じる日本の良さが伝わってきました。
どれも、海外生活を経たからこそ気づくことができる、貴重な意見でしたね。
海外ではマインド面での成長から、対人面での温かさを感じます。
ただ、長く生活を続けるとなると、健康面での心配が募ることでしょう。
そうした際に、日本の医療制度・健康保険というシステムは、非常に助かるものだということを、改めて考えさせられます。
世界をはじめ日本の様々な街に触れて、自分が住みたい国・街を見つける旅へ出たいですね。
次回のインタビュー記事では、「住処にしたい場所・サービス付き高齢者向け住宅への意識」についてお届けします。
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