当記事の前編『日本舞踊の大家であり、伝統芸能のパイオニアであり続ける Vol.1』はこちらから
舞台演出・振付・評論・執筆活動をされる村 尚也さん
舞台演出・振付・評論・執筆活動をされている村尚也さん(日本舞踊家としては坂東鼓登治)。
伝統芸能を継承するとともに、常に新しい取り組みをされています。
日本文化に精通する村さんに、日本文化のおもしろさについて伺いました。
伝統でさえも疑う、好奇心が若々しさの秘訣
決まりごとが多い伝統芸能の世界で、新しい試みを数多くされてきた村さん。インスピレーションの源は絵や音楽・自然とのことですが、想像力の源には〝好奇心 〟もあることがわかりました。
「踊りも箸の持ち方も、昔ながらの決まりがある。でも僕にとっては〝型〟よりも、なんでそうなったかのほうが気になるんです。例えば手をかざす仕草は、日本舞踊だと山や月を見る・遠くを見る・まぶしいことを意味します。でも、なんでそうなったかあれこれ考えこむうちに、自分なりの解釈が生まれて納得する。そんな風に疑問をもって、考えをめぐらせるのが好きなんです」。
伝統にとらわれず好奇心を持って見ることで、新しい気付きがある。その繰り返しが、村さんの若々しさに磨きをかけているのかもしれませんね。
村 尚也
1953年生まれ。東京都出身。古典芸能をはじめ、新劇、ミュージカル、歌謡曲、ロックなど幅広く振付。超流派の若手日本舞踊家からなる集団「おどりの空間」を主宰。