不動産オーナー向けのウェブサイトに「AI(人工知能)とチャットで対話してみませんか」と呼びかける新サービスが登場し、注目を集めています。
先進技術の「生成AIによるチャットボット」を導入したシステムで、オーナーを対象としたサービスとしては不動産賃貸管理業界で初めての試みとなりそうです。
空室対策サイト「ちえいず」が7月に開設
この新サービスは、空室・空き家対策サイト「ちえいず」〈㈱イチイ運営〉が今年7月に開設した「不動産オーナーと生成AIの対話(相談)デスク」です。
いま話題の「AIチャットボット」とはいわば、AIを搭載した「自動会話プログラム」。
AIが人間に代わって(相談に対する)一定の回答を自動的に行い、ユーザーとの間では文章のやり取りが双方向かつリアルタイムでできるというものです。
今回は一般のオーナーからどんな相談があり、それに対してAIはどう答えたのか、一部を紹介します。
お金をかけなくても貸せますか?
【オーナーの質問】お金をあまりかけられないのですが、貸すことはできますか。
【AIの1回目の回答】
お金かけずに貸す方法はあります。
たとえば物件のリフォーム費用などを最小限に抑える、設備などを工夫する、家賃をコストパフォーマンスに合わせるといった方法が考えられます。
また、空き家を有効活用することや家賃債務保証サービスなども取り入れると良いでしょう。
オーナーは何をすればいい?
【オーナーの質問】オーナーとしては、何をやらなければなりませんか。
【AIの1回目の回答】
不動産オーナーとしてやらなければならないことには以下の内容が含まれます。
⑴定期的な家賃の徴収と管理会社との連絡を確保すること
⑵物件の定期的な点検や修繕を行い、入居者の快適な生活環境を維持すること
⑶法律や契約に基づいて入居者とのトラブルを避けるための対応を行うこと
⑷税金や保険料の支払いを適切に行い、物件の適切な管理を確保すること
オーナーとしての責任を果たすためには、入居者とのコミュニケーションや物件管理に関する知識を持つことが大切です。
管理会社はどこまでやってくれる?
【オーナーの質問】賃貸住宅管理会社はどこまでの業務をやってくれますか。
【AIの1回目の回答】
管理会社によって異なりますが、一般的には以下のようなサービスを提供しています。
➀入居者募集や空室対策
➁入居者の契約管理や家賃徴収
➂入居者からのクレームや要望への対応
➃定期的な点検や修繕業務の管理
➄物件の清掃やメンテナンス
ただし、各管理会社のサービス内容は異なるため、具体的な範囲については契約時に確認することが大切です。
❑「AIチャットボット」を導入したウェブサイト「ちえいず」はこちら
AIの導入で顧客サービスの向上競う
今回のAIチャットボットを新たなDX戦略として導入した事業者は、まだ大手企業や行政などに限られていますが、今後は普及が見込まれるところです。
そこで参考までに、さまざまな業界の導入事例の一端を紹介します。
❑医薬品の沢井製薬は自社の製品情報サイトにチャットボットを導入し、サイトの案内機能を強化
❑ヤマト運輸はチャットボットを活用し、LINEのトーク画面で再配達の依頼を可能にするなど、顧客の利便性を高めた
❑保険大手の損保ジャパンはコールセンター業務でAIを本格導入
急速に進化しつつあるAIを活用することで、事業者が顧客サービスの向上を競い合う時代がまもなくやってきそうです。
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