
都会の便利な暮らしを維持しながら、週末は自然豊かな地方でのんびり過ごす。
そんな二拠点生活(二地域居住)は、定年後の新しい暮らし方としても魅力的な選択肢です。
「田舎暮らしに憧れるけれど、今の家を手放したくない」「退職後は好きな場所で趣味を楽しみたい」と考えている方にも適しています。
一方で、二拠点生活を始めるには、住まいの確保や生活費、移動手段など、事前に準備しておきたいこともあります。
この記事では、二拠点生活の始め方を5つのステップで解説します。シニア世代が無理なく続けるためのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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二拠点生活(二地域居住)とは?

二拠点生活とは、都市部と地方など、2つの地域に生活拠点を持ち、それぞれを行き来しながら暮らすライフスタイルのことです。
例えば、平日は東京の自宅で過ごし、週末は長野県の家で家庭菜園を楽しむといった暮らし方が挙げられます。

完全に移住する場合とは異なり、これまでの生活基盤を維持しながら、別の地域で新しい生活を始められることが特徴です。
二拠点生活と二地域居住の違い
二拠点生活と二地域居住は、基本的に同じような意味で使われています。
ただし、二拠点生活は日常的なライフスタイルを表す言葉として使われることが多く、二地域居住は国や自治体による移住・定住支援など、政策に関する場面でも使用されています。
どちらも、必ずしも都市部と地方の組み合わせに限らず、2つの地域を行き来しながら生活する点が共通しています。
定年後に二拠点生活を始めるメリット
定年後に二拠点生活を始める魅力は、これまでの生活環境を大きく変えることなく、新しい暮らしを楽しめる点です。
都市部の自宅を維持すれば、通い慣れた病院や友人とのつながりを残しながら、地方で家庭菜園や釣り、登山などの趣味を満喫できます。
また、季節に応じて滞在先を変えることも可能です。夏は涼しい高原、冬は温暖な地域で過ごすなど、自分の好みに合わせた生活を実現できます。
ただし、住居を2つ維持する費用や移動の負担も生じるため、無理のない計画を立てることが大切です。
二拠点生活の始め方!5つのステップ

二拠点生活を始める際は、いきなり住宅を購入するのではなく、目的や予算を整理しながら段階的に準備を進めましょう。
1. 目的と生活スタイルを決める
最初に考えたいのは、何のために二拠点生活を始めるのかという点です。
自然豊かな場所で趣味を楽しみたいのか、将来的な地方移住に向けて準備したいのかによって、適した地域や住まいは異なります。
また、週末だけ滞在するのか、1年の半分を別の地域で過ごすのかによっても、必要な予算や設備が変わります。
定年後のシニア世代であれば、体力や健康状態、家族との時間なども考慮し、自分に合った滞在スタイルを検討しましょう。
2. 二拠点目の地域を選ぶ
生活スタイルが決まったら、二拠点目となる地域を探します。
地域選びでは、自然環境や観光地としての魅力だけでなく、日常生活の利便性も重要です。
スーパーや医療機関へのアクセス、公共交通機関の充実度、冬の積雪量などを確認しておきましょう。
特にシニア世代の場合、将来的に車の運転が難しくなる可能性も考えられます。駅やバス停から近い地域、徒歩圏内に生活施設がそろう地域なども候補に入れると安心です。
3. 初期費用と毎月の生活費を計算する
二拠点生活では、2つの住居を維持するための費用が必要になります。
賃貸住宅を利用する場合は、敷金・礼金などの初期費用に加え、毎月の家賃や光熱費が発生します。
さらに、2つの地域を行き来する交通費も忘れてはいけません。新幹線や高速道路を頻繁に利用する場合、移動費が大きな負担になることもあります。
年金収入を中心に生活する方は、毎月の収支だけでなく、医療費や住宅の修繕費など、将来必要になる支出も考慮して予算を立てましょう。
4. 賃貸やお試し移住で実際に暮らしてみる
気になる地域が見つかったら、短期滞在やお試し移住を利用して、実際の生活を体験してみましょう。
旅行で訪れたときには魅力的に感じた地域でも、長期間生活すると不便な点が見つかる場合があります。
例えば、観光シーズン以外は飲食店が休業していたり、冬になると道路が凍結したりすることも考えられます。
最初は家具付きのマンスリーマンションや短期賃貸住宅などを活用し、生活環境を確認する方法がおすすめです。
自治体によっては、お試し移住用の住宅を提供している場合もあります。気になる地域の自治体公式サイトを確認してみましょう。
5. 住民票や行政手続きを確認する
二拠点生活を始める際には、住民票や税金などの手続きも確認しておきましょう。
原則として、住民票は生活の本拠となる住所に置きます。2つの住居があるからといって、それぞれに住民票を登録できるわけではありません。
住民税は原則として、その年の1月1日時点で住所がある自治体に納めます。ただし、別の自治体に家屋敷がある場合などは、住民税の均等割が別途課されることがあります。
また、国民健康保険に加入している場合や、介護保険サービスを利用している場合は、住所変更によって必要な手続きが異なります。
生活の本拠がどちらになるのか判断が難しい場合は、住民票を置く自治体に事前に相談しましょう。
二拠点生活を始める際にかかる費用

二拠点生活では、住居を2つ維持するため、通常の一拠点生活よりも住居費や交通費が増える傾向があります。
ただし、最初から住宅を購入する必要はありません。滞在頻度や予算に合わせて賃貸住宅や短期滞在施設を活用すれば、初期費用を抑えることも可能です。
初期費用の目安
賃貸住宅で二拠点生活を始める場合、敷金・礼金や仲介手数料、家具・家電の購入費などが必要です。
例えば、家賃5万円の賃貸住宅を借りる場合、以下のような費用が考えられます。
| 項目 | 費用の目安 |
| 敷金・礼金 | 10万円 |
| 仲介手数料 | 5万5,000円 |
| 前家賃 | 5万円 |
| 家具・家電 | 15万円 |
| 引っ越し・移動費 | 5万円 |
| 合計 | 40万5,000円 |
※上記は仮定の条件に基づく試算です。実際には保証料や火災保険料などが別途必要になる場合があります。
初期費用を抑えたい場合は、家具・家電付きの賃貸住宅やマンスリーマンションを検討するのも一つの方法です。
毎月の生活費と交通費
二拠点生活を始めると、家賃や光熱費に加えて、2つの地域を行き来するための交通費が必要になります。
仮に、現在の自宅とは別に月額5万円の賃貸住宅を借り、月に2回往復する場合の追加費用を試算してみましょう。
| 項目 | 月額の目安 |
| 二拠点目の家賃 | 50,000円 |
| 光熱費 | 10,000円 |
| 通信費 | 5,000円 |
| 交通費 | 30,000円 |
| その他の維持費 | 5,000円 |
| 合計 | 100,000円 |
※金額は一例です。現在の自宅の維持費や食費などは含まれていません。
この条件では、二拠点目を維持するために年間120万円程度の追加費用が必要になります。
定年後に年金収入を中心として生活する場合は、無理なく支払える金額をあらかじめ設定しておきましょう。
滞在日数が少ないうちは、ホテルや民泊、定額制の宿泊サービスなどを利用する方が経済的な場合もあります。
シニアが二拠点生活で失敗しないためのポイント

二拠点生活を長く楽しむためには、現在の生活だけでなく、5年後や10年後の暮らしも見据えて準備することが重要です。
特にシニア世代は、健康状態や移動手段、家族との関係などを考慮しておきましょう。
病院や交通機関へのアクセスを確認する
二拠点目を選ぶ際には、近隣の医療機関や公共交通機関を確認しておきましょう。
自然豊かな地域は魅力的ですが、病院まで車で1時間以上かかる場所や、バスが1日に数本しか運行していない地域もあります。
持病がある場合は、かかりつけ医に相談し、滞在先でも必要な診療を受けられる環境を整えておくことが大切です。
また、将来的に車の運転をやめた場合でも生活できるかを考え、公共交通機関やタクシーの利用環境なども調べておきましょう。
家族と相談し、無理のない滞在計画を立てる
夫婦で二拠点生活を始める場合は、お互いがどのような暮らしを望んでいるのか、事前に話し合っておくことが大切です。
一方は自然豊かな地方で長期間過ごしたいと考えていても、もう一方は都市部での生活を重視しているかもしれません。
また、子どもや孫との交流を大切にしたい場合は、家族が訪れやすい地域を選ぶ方法もあります。
最初は月に数日程度の滞在から始め、実際に暮らしながら滞在日数を調整していくとよいでしょう。
将来はどちらに住むのか考えておく
二拠点生活を始める際には、将来的にどちらの住まいを生活の中心にするのかについても考えておきましょう。
年齢を重ねるにつれて、長距離の移動や2つの住居の管理が負担になる可能性があります。
また、介護が必要になった場合には、家族の住まいや医療・介護サービスの利用環境などによって、生活の拠点を見直す必要が生じるかもしれません。
住宅を購入する場合は、将来的に売却したり、賃貸に出したりできるかについても検討しておくことが大切です。
まとめ|まずは短期滞在から二拠点生活を始めよう

二拠点生活(二地域居住)は、現在の住まいを維持しながら、新しい地域での暮らしを楽しめるライフスタイルです。
特に定年後は、家庭菜園や釣り、登山などの趣味を楽しんだり、季節に合わせて滞在先を変えたりと、自由な時間を活用した暮らしが考えられます。
ただし、2つの住居を維持する費用や移動の負担、将来的な医療・介護への備えも欠かせません。
まずは短期滞在やお試し移住などを利用し、実際の生活を体験するところから始めてみてはいかがでしょうか。
自分に合った地域や住まいを見つけることが、無理なく二拠点生活を続けるための第一歩となります。
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