+Life編集部、都内の介護現場を歩く Vol.1

「私の親を入居させたい!」自立助ける『サ高住』の特性とは。もっと高齢者・障害者が暮しやすい社会を

イチイグループは2017年春、自立型高齢者向け住宅を専門に扱う情報誌『+Life(プラスライフ)』(定期刊行物)を発刊しました。
そこで、当社では情報誌の普及活動(配布等)と合わせて、サービス付き高齢者向け住宅(通称:サ高住)などのニーズを探るため、ヒアリング調査を開始。
都内の区役所・市役所や地域包括支援センター、居宅介護支援事業所などの現場をいま精力的に訪問しています。

プラスライフWEB版では今回、このヒアリングを担当する本誌編集スタッフのインタビュアー(聞き手)による座談会を企画。
高齢者福祉のあり方や理想の高齢者向け住宅などについて話し合ってもらいました。

頼れる〝高齢者よろず相談所〟

■地域包括支援センター」という言葉を最近よく耳にしますが、どのようなところなのでしょうか。

森:介護サービスについて相談したいとき、最初の窓口になるところです。
市や区が人口2万~3万人のエリア(中学校の学区とほぼ同じエリア)ごとに一つずつ設置しています。
高齢者が住み慣れた自宅など地元の街で、いつまでも生活できるようにと介護だけではなく、福祉や医療、生活支援など、幅広く相談に対応している総合窓口です。
専門職(ケアマネジャー、社会福祉士、保健師)の方がチームを組んで取り組むこともあるので、とても頼りになります。

福田:地域包括支援センターは高齢者のための〝よろず相談所〟といった感じですね。
「近所のひとり暮しのおじいさんを最近見かけないんですけど」というような、地域住民からの連絡も受け付けています。
訪問してみると、市や区が運営している(直営)のは全体の4分の1程度で、大半は社会福祉法人や病院などが市・区から委託を受けて事業を行っていました。役所ではありませんし、気軽に相談に行けるところという印象です。

父に元気をくれた介護者の一言

■もう一つよく耳にする「居宅介護支援事業所」とは、どのようなところですか。

福田:これは民間法人ですので、一つの町に数多くの事業所があって、必ずケアマネジャー(介護支援専門員)が常駐しています。
ここでは、要介護認定の役所への申請を代わりに行ってくれたり、要介護認定を受けた人のためにケアプラン(介護サービス計画)を作成し、介護サービス事業者を紹介してくれます。
自宅で介護ができるよう支援することが主な役割です。

■ところで、お二人とも日頃、介護スタッフの方と接する機会が多いそうですね。

森:はい。私の父は車イスの生活で、昼間は週3回デイサービスに通いながら機能訓練を受けています。(→「デイサービス」とは?|おとなの住む旅 用語解説
指導してくださる方は、負けん気の強い父の性格を見て「森さんの歩行訓練、すごいですね。皆さんの前でもう一度やってみてもらえませんか」と。父も「ようしっ」と気持ちが前向きになっている様子でした。
家族としてはとても感謝しています。

介護者の技量高めるマナー検定

■充実した介護サービスを受けられるかどうかは、介護スタッフの力量で決まるのでしょうか。

福田:その通りだと思います。私の母も足がよくないので、週1回ヘルパーさんにお買い物などのサポートをしていただいています。
担当のケアマネジャーさんは「困ったことがあったら、いつでも連絡くださいね」と母によく声をかけてくださるので、家族も安心していられます。

■森さんは『ユニバーサルマナー検定』という資格を持っているそうですね。

森:父の介護に少しでも役に立つならと思い、今年の検定試験を受けて取得しました。
この検定は高齢者や障害者に対するサポートの方法、コミュニケーションの取り方などを習得することが目的です。
たとえば「車イスを押す」というサポートでも、「かける言葉」や「歩くスピード」などを工夫すると、乗っている人の安心感はずいぶんと変わります。

『+Life編集部、都内の介護現場を歩く Vol.2』へ続く

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