一人暮らしの高齢者などを賃貸住宅に入居しやすくすることを目的に、NPO法人等の見守りサービスが付いた『居住サポート住宅』を国が新たに創設しました。
民間の家主が安心して物件を貸せるようにすることが狙いです。
この居住サポート住宅の規定を盛り込んだ「住宅セーフティーネット法改正案」が先の通常国会(6月下旬閉会)で可決・成立しました。来年秋をめどに施行するとしています。
「居住サポート住宅」法改正で誕生!
かねて単身高齢者などは、孤独死等への懸念から賃貸住宅への入居を拒まれることがあるとして問題になっていました。
いま一人暮らしの高齢者は37%(65歳以上の高齢者層の人口比、2020年)と増える一方ですが、この問題は新たな制度で解決へ向かうことが期待されています。
先の国会で成立したのは、高齢者や障がい者、低額所得者などいわゆる「住宅確保要配慮者」の入居促進を図る『住宅セーフティーネット法』の改正案です。
今回創設された「居住サポート住宅」の狙いは、単身高齢者などの生活を継続してサポートするとともに、家主が安心して物件を貸し出せるようにすること。
物件はあくまで民間の賃貸住宅ですが、これを自治体(市区町村)が認定する制度とします。
居住支援法人が高齢者宅を訪問
この居住サポート住宅では、自治体(都道府県)に登録された「居住支援法人」〈NPO法人や民間企業など全国に約770者(昨年末)〉が入居者を定期的に訪問して見守りを行うほか、人感センサーなど情報通信技術(ICT)を活用して安否確認等を実施します。
こうした居住支援法人は必要に応じて、医療や介護、自立支援などの福祉サービスへとつなげる役割も担っていく段取りです。
所管の国土交通省が掲げた目標数値は来秋以降10年間で、居住サポート住宅を10万戸供給するとしています。
貸主はリコーリース、イチイが募集・管理
〈民間の先行事例紹介〉
このような国の動きに先立ち、高齢者住宅運営コンサルティングの㈱イチイでは現在、「見守りサービス付きの高齢者向け賃貸住宅」の供給に取り組んでいます。
そのうち今回は、東京・練馬区と北区、杉並区の3つのマンション(いずれも区分所有で、賃貸戸数は1戸ずつ)を取り上げ、3物件に共通する見守り・訪問サービスについて、国の新制度と比較検証する観点からご紹介します。
この3物件はリース事業のリコーリース㈱が所有(貸主)し、㈱イチイが今春より管理および入居者募集を担っている新タイプ(既存物件活用型)の高齢者賃貸です。
<本物件は前述の「法律に基づく居住サポート住宅」ではありません>
警備・介護事業者と連携、一人暮しでも安心
➊24時間見守りサービス
〈警備のALSOKが提供〉
⑴健康相談:室内のコントローラーから看護師等に健康相談ができます。
⑵緊急対応:室内の緊急ボタンを押せば、ガードセンターに通報されます。
⑶救急:119番通報の際、登録してある必要な情報を救急隊員に伝えます。
⑷ライフリズム監視:在宅中に一定の時間を経過してもトイレの使用がない場合、ガードセンターに通報されます。
➋訪問サービス
〈介護の㈱やさしい手が提供〉
⑴生活相談:資格を持つ専門スタッフが2か月に1度訪問し、日々の生活状況や困りごとなどを聞きます。
⑵生活支援:健やかな生活のプランニングや新たな暮らしをサポートします。
たとえば近隣の情報(スーパーや医療施設)の案内や緊急連絡先との連携、住み替え相談など。
定期訪問時には電球の取り換えやエアコンのフィルター取り外しなど、簡易なお手伝いも行います。
お客様は60歳以上の元気な単身者
➀ジェノヴィア石神井台グリーンヴェール
都市生活に必要な設備が完備されたマンションです。
オートロックや防犯カメラ、浴室乾燥機などが備わり、快適な暮らしをサポートします。
➁ライオンズステーションプラザ板橋滝野川
立地はJR埼京線 板橋駅から徒歩2分で、周辺には銀行やスーパー、コンビニ、飲食店などが集積しています。
日ごろの買い物や食事に困ることはありません。
⇒【総集編 老後の住まいの選び方】第2章「生活費20万で入れる施設はあるの?」
30㎡で月額15万円、身元引受人は必須
➂日神デュオステージ高円寺
ご高齢者ほど生活・交通に便利な立地を切実に希望されます。
都心に近く、生活利便性に優れた「高円寺」のまちは、ご高齢者のニーズにぴったりです。
以上3つの物件の概要は次の通りです。
◪この記事に関心のある方は次のボタンよりお問い合わせください。
🔻高齢者向け住宅に関する記事
世田谷区にあるシニア世代の単身・夫婦世帯が居住できる高齢者向け賃貸住宅やサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)をまとめてみました。 息子・娘さん夫婦が世田谷区に住んでいるという方、ぜひ参考にしていただければ幸いです。 1.グランドマストライト八幡山(京王線「八幡山」駅) 2.ヘーベル...
障がいのある子(成人)と親が、サポート(介助等)を受けながら共に暮らせる賃貸集合住宅が先月、東京・江戸川区で完成し、新しい形の住まいとして注目を集めています。 障がいのある子を持つ親たちは特に、自分自身が高齢になるにつれて、子の将来のことが心配になるのが親心です。 そこで今回は、シニ...