
定年退職や子どもの独立をきっかけに、これからの暮らし方を見直す60代の方も多いのではないでしょうか。
「都会の便利な暮らしは手放したくないけれど、自然豊かな場所でも生活してみたい」「定年後は趣味を楽しみながら、好きな場所で過ごしたい」
そんな希望を実現する選択肢の一つが、二拠点生活(二地域居住)です。
この記事では、60代から始める二拠点生活の魅力や具体的な暮らし方、費用、失敗しないためのポイントを紹介します。
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60代から始める二拠点生活とは?

二拠点生活とは、都市部と地方など、2つの地域に生活拠点を持ち、それぞれを行き来しながら暮らすライフスタイルです。
「二地域居住」とも呼ばれ、完全に移住することなく、異なる地域での生活を楽しめる点が特徴です。
例えば、平日は東京の自宅で過ごし、週末は長野県の別宅で家庭菜園を楽しむといった暮らし方が挙げられます。
60代は定年退職や働き方の変化によって、時間の使い方を見直す機会が増える年代です。
これまで仕事を中心に生活していた方にとって、二拠点生活は新しい趣味や地域とのつながりを見つけるきっかけにもなるでしょう。
定年後に二拠点生活を選ぶメリット
60代から二拠点生活を始める大きなメリットは、これまでの生活環境を維持しながら、新しい暮らしに挑戦できることです。
完全に地方へ移住する場合、長年付き合いのある友人や通い慣れた病院から離れることになります。しかし、二拠点生活なら都市部の自宅を残せるため、従来の生活基盤を維持しやすくなります。
また、地方では自然に囲まれながら、家庭菜園や釣り、ハイキングなどの趣味を楽しむことも可能です。
季節ごとに滞在先を変えたり、地域のイベントに参加したりすることで、定年後の生活に新しい楽しみが生まれるかもしれません。
都市部の利便性と地方の自然環境を両立できることは、60代の二拠点生活ならではの魅力といえるでしょう。
60代ならではの二拠点生活のデメリット
一方で、60代からの二拠点生活には注意しておきたい点もあります。
まず、2つの住居を維持するため、家賃や光熱費、交通費などの支出が増えることです。定年退職によって収入が減少する場合は、現役時代と同じ感覚で支出を増やさないよう注意が必要です。
また、都市部と地方を頻繁に移動する生活は、年齢を重ねるにつれて体力的な負担になる可能性があります。
特に、車で数時間かかる地域や公共交通機関が少ない地域では、移動そのものが負担になることも考えられます。
さらに、長期間留守にする住居の防犯対策や清掃、庭の手入れなど、住宅の維持管理にも手間がかかります。
二拠点生活を検討する際は、理想の暮らしだけでなく、こうした負担も理解しておくことが大切です。
60代におすすめの二拠点生活のスタイル3選

二拠点生活といっても、必ずしも2つの住居で同じ日数を過ごす必要はありません。
60代から始める場合は、健康状態や趣味、家族との関係などを考慮し、自分に合った生活スタイルを選ぶことが重要です。
都市部と地方を行き来する暮らし
最もイメージしやすいのが、現在の自宅を生活の中心にしながら、週末や月に数日だけ地方で過ごすスタイルです。
例えば、東京に自宅を持つ方が、静岡県の伊豆や長野県の軽井沢などに二拠点目を設けるケースが考えられます。
普段は都市部で買い物や通院、友人との交流を楽しみ、地方では自然に囲まれた環境でゆっくり過ごすことができます。
このスタイルは、現在の生活を大きく変えずに始められるため、初めて二拠点生活に挑戦する60代の方にも検討しやすい方法です。
季節によって住む場所を変える暮らし
季節に合わせて滞在先を変える二拠点生活も、定年後の選択肢の一つです。
例えば、夏は比較的涼しい長野県の高原地域で過ごし、冬は温暖な静岡県などで生活する方法が考えられます。
暑さや寒さが厳しい季節を避けられるほか、それぞれの地域ならではの食文化や自然を楽しめることも魅力です。
ただし、同じ県内でも標高や地形によって気候は大きく異なります。夏の暑さや冬の積雪状況、住宅の断熱性能などを確認しておきましょう。
また、長期間滞在する場合は、現地で利用できる医療機関や日用品の購入場所なども把握しておく必要があります。
夫婦それぞれの時間を大切にする暮らし
定年退職後は、夫婦で過ごす時間が増える一方、それぞれの趣味や生活スタイルの違いが気になる場合もあります。
二拠点生活では、夫婦が常に同じ場所で過ごす必要はありません。
例えば、夫は地方で家庭菜園や釣りを楽しみ、妻は都市部で友人との交流や習い事を続けるといった暮らし方も考えられます。
もちろん、夫婦で一緒に地方へ滞在する期間を設けることも可能です。
大切なのは、どちらか一方の希望だけで住まいを決めないことです。
滞在頻度や費用の負担、家事の分担などを事前に話し合い、お互いが納得できる生活スタイルを見つけましょう。
60代の二拠点生活に必要な費用は?年金だけでも可能?

60代から二拠点生活を始める際、特に気になるのが費用ではないでしょうか。
年金収入を中心に生活する場合でも、現在の住居費や貯蓄額、二拠点目の家賃などによっては実現できる可能性があります。
ただし、年金だけで生活できるかどうかは世帯ごとの収支によって異なるため、事前に具体的な資金計画を立てることが重要です。
年金生活で考えたい毎月の支出
二拠点生活では、現在の生活費に加えて、二拠点目の住居費や交通費が必要になります。
例えば、地方で月額5万円の賃貸住宅を借りる場合、以下のような追加費用が考えられます。
| 項目 | 月額費用の例 |
| 二拠点目の家賃 | 50,000円 |
| 光熱費 | 10,000円 |
| 通信費 | 5,000円 |
| 交通費 | 20,000円 |
| その他の維持費 | 5,000円 |
| 合計 | 90,000円 |
※上記は仮定の条件に基づく試算であり、実際の相場を示すものではありません。現在の自宅の生活費や食費、賃貸契約の初期費用などは含まれていません。
この条件では、二拠点目を維持するために年間108万円程度の追加費用が発生します。
年金収入だけで賄うことが難しい場合は、貯蓄の取り崩しや継続的な就労収入なども含めて検討する必要があります。
また、60代は今後の医療費や介護費用などにも備えたい年代です。二拠点生活に資金を使いすぎず、将来の生活費を確保しておくことが大切です。
賃貸住宅を活用して費用を抑える方法
二拠点生活を始めるからといって、必ずしも別荘や住宅を購入する必要はありません。
特に60代から初めて二拠点生活に挑戦する場合は、賃貸住宅を利用する方法もおすすめです。
例えば、家具・家電付きのマンスリーマンションや短期賃貸住宅であれば、家具を一からそろえる費用を抑えられる場合があります。
また、地方自治体によっては、お試し移住用の住宅を提供しているケースもあります。
こうした制度を利用すれば、いきなり長期間の賃貸契約を結ばずに、地域の生活環境を体験できます。
ただし、マンスリーマンションなどは一般的な賃貸住宅より月額料金が高くなる場合もあるため、滞在日数や契約条件を比較することが重要です。
最初は短期間の滞在から始め、気に入った地域が見つかってから本格的な住まい探しを進めるとよいでしょう。
60代が二拠点生活で後悔しないための注意点

60代からの二拠点生活を長く楽しむためには、現在の健康状態や生活環境だけでなく、将来の変化も見据えておく必要があります。
特に、医療機関へのアクセスや家族との関係、70代以降の住まい方については、事前に考えておきたいポイントです。
医療機関と交通アクセスを確認する
地方での暮らしは自然環境が魅力ですが、都市部と比べて医療機関や公共交通機関が限られている地域もあります。
60代では元気に車を運転できていても、70代や80代になったときに同じ生活を続けられるとは限りません。
そのため、二拠点目を選ぶ際には、病院やスーパーまでの距離だけでなく、車を使わずに生活できるかどうかも確認しておきましょう。
持病がある方は、かかりつけ医と相談し、滞在先で必要な診療を受けられる環境を整えることも大切です。
また、急な体調不良に備えて、近隣の救急医療機関や夜間・休日の診療体制なども調べておくと安心です。
夫婦や家族と将来の暮らし方を話し合う
二拠点生活は、自分だけでなく家族の生活にも影響する場合があります。
特に夫婦で始める場合は、地方での生活に対する希望が一致しているか確認しておきましょう。
例えば、一方は自然豊かな地域で長期間過ごしたいと考えていても、もう一方は都市部での生活を続けたいと思っているかもしれません。
また、子どもや孫との交流を大切にしたい場合は、家族が訪れやすい地域を選ぶことも一つの方法です。
さらに、親の介護を担っている方や、今後介護が必要になる可能性がある家族がいる場合は、移動距離や緊急時の対応も考慮する必要があります。
二拠点生活を始める前に、家族と十分に話し合い、無理のない滞在計画を立てることが大切です。
70代・80代になったときの住まいを考える
60代から二拠点生活を始める場合、10年後や20年後の暮らし方についても考えておきましょう。
現在は問題なく長距離移動ができていても、年齢を重ねるにつれて移動や住宅管理が負担になる可能性があります。
また、介護が必要になった場合には、どちらの地域で生活するのかを選択する必要が生じるかもしれません。
介護保険サービスの利用には、原則として住民票のある自治体での手続きが関係します。
滞在先でのサービス利用については、必要に応じて自治体やケアマネジャーに相談しましょう。
将来的に一拠点へ戻る可能性がある場合は、住宅を購入するよりも賃貸住宅の方が柔軟に対応しやすいケースもあります。
60代の二拠点生活では、今の楽しさだけでなく、将来の暮らしを変えやすい住まい方を選ぶことも重要です。
まとめ|60代からの二拠点生活は将来を見据えて計画しよう

60代から始める二拠点生活(二地域居住)は、定年後の時間を有効に活用し、自分らしい暮らしを実現する選択肢の一つです。
都市部の便利な生活を維持しながら、地方で趣味を楽しんだり、季節に合わせて滞在先を変えたりと、さまざまな暮らし方が考えられます。
一方で、2つの住居を維持する費用や移動の負担、将来的な医療・介護への備えも欠かせません。
特に年金生活を中心とする場合は、無理のない資金計画を立て、将来の生活費を確保しておくことが大切です。
最初から住宅を購入するのではなく、短期滞在や賃貸住宅などを活用し、自分に合った地域を探すことから始めてみてはいかがでしょうか。
60代は、これからの暮らし方を見直す一つの節目です。 現在の生活と将来の安心を両立させながら、無理のない二拠点生活を検討してみましょう。
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